63.中古車購入前に知っておきたい水没車の見分け方と対策
中古車購入前に知っておきたい水没車の見分け方と対策
中古車を購入する際、最も気をつけなければならないのが水没車の存在です。
台風や洪水により水に浸かった車両が市場に出回っている可能性があり、購入してしまうと多額の修理費用や安全性の問題が発生するリスクがあります。
この記事では、水没車を確実に見分ける方法から、購入してしまった場合の対処法まで、専門的な知識を分かりやすく解説していきます。
水没車とは何か?基本的な定義と危険性
水没車について正しく理解するためには、まず公的な定義を知ることが重要です。
なぜ水没車が危険なのか、どのような問題が発生するのかを把握しておく必要があります。

水没車とは、台風や豪雨、川の氾濫などの水害により、車内フロア以上に浸水した車両のことを指します。
一般財団法人日本自動車査定協会では『冠水車』と定義しており、室内フロア以上に浸水したもの、またはその痕跡があるものとされています。
重要なポイントは「室内フロア以上」という基準です。
タイヤが少し水に浸かった程度では水没車とは判定されず、車内の床面まで水が入った場合に水没車として扱われます。
水没車の最も危険な問題は電気系統への影響です。
現代の車は多くの電子機器で制御されているため、水に浸かるとエンジンの始動不良やエアコンの故障、走行中の突然の停止といった危険な状況が起こる可能性があります。
また、車内に泥や汚水が侵入することでカビや細菌が繁殖し、健康に悪影響を与える悪臭が発生します。
さらに深刻なのは金属部品の腐食で、特に海水に浸かった場合は塩分により腐食が急速に進行し、ブレーキやサスペンション(車体を支える重要な部品)などが劣化して重大な事故につながるリスクがあります。
水没車といっても、浸水の程度によって影響度は大きく異なります。
軽度の浸水(タイヤ下部まで)の場合は比較的軽微な影響で済みますが、車内フロアまで浸水した場合は電気系統への深刻なダメージが予想されます。
エンジンルームまで浸水した場合は最も深刻で、エンジン内部に水が侵入してエンジンブロー(エンジンが完全に壊れること)を起こす可能性が高く、修理費用が非常に高額になる場合があります。
確実に見分ける!水没車の具体的なチェックポイント
水没車を見分けるためには、体系的なチェックが必要です。
一般の方でも実践できる具体的な確認方法を解説します。

最も分かりやすい判断材料は車内の異臭です。
水没車特有のカビ臭さやドブのような臭いがある場合は、水没車である可能性が非常に高いといえます。
特に重要なのはエアコンを作動させた際の臭いで、エアコン内部に水が侵入していると送風時に強烈な異臭が発生します。
また、シートベルトを最後まで引き出して、途中から変色していないかをチェックすることも重要です。
水没した車のシートベルトは、浸水ラインから下の部分が変色していることが多く、これは水没車を見分ける確実な証拠となります。
水没車の特徴として、通常では錆びにくい場所に錆びが発生していることが挙げられます。
運転席や助手席の足元にあるペダル周辺、シートのレール部分、センターコンソール(運転席と助手席の間にある部分)の金属部品などに異常な錆びがないかを確認しましょう。
エンジンルーム内のエンジンブロックやバッテリー周辺、各種配線のコネクタ部分に錆びや腐食の跡がないかも注意深く観察します。
相場と比較して明らかに安い価格設定の車両は、何らかの問題を抱えている可能性が高いといえます。
人気車種で年式も新しく、走行距離も少ないにも関わらず価格が安い場合は、販売店に必ず理由を確認することが大切です。
ただし、単純に価格だけで判断するのではなく、不人気色や型落ちモデルなど、正当な理由で安くなっている可能性もあるため、他のチェックポイントと合わせて総合的に判断する必要があります。
水没車では電気系統にトラブルが発生することが多いため、実際に車を動かして各種電装品の動作確認を行いましょう。
エアコン、カーオーディオ、パワーウィンドウ、電動ミラー、ライト類など、すべての電装品が正常に作動するかを確認します。
特に重要なのは、エンジンの始動性や回転の安定性、警告灯の点灯状況です。
異常な振動や音がある場合も、内部に水が侵入した可能性を示している場合があります。
水没車を購入してしまった場合の対処法
万が一、購入後に水没車であることが判明した場合でも、適切な対処により被害を最小限に抑えることができます。
法的な権利を正しく理解し、迅速に行動することが重要です。
中古車販売においては、販売業者には契約不適合責任があり、水没車であることを隠して販売した場合は契約解除や損害賠償を請求できます。
民法第562条では、契約の内容に適合しない場合、買主は追完請求・代金減額請求・契約解除・損害賠償を求めることができます。
また、買主は不適合を知った時から1年以内に売主へ通知する必要があります。
水没車であることが判明した場合、修理するか新しい車に買い替えるかの判断が必要になります。
修理費用の見積もりを複数の工場で取得し、車両の市場価値と比較して経済的な判断を行うことが重要です。
一般的に、エンジンまで浸水している場合の修理費用は非常に高額になることが多く、修理後も電気系統のトラブルが続発する可能性があるため、買い替えを検討することをお勧めします。
水没車を避けるための購入戦略
水没車を確実に避けるためには、購入前の戦略的なアプローチが重要です。
信頼できる販売店の選択から専門家による点検まで、複数の対策を組み合わせることで安全な中古車購入が可能になります。

まず基本となるのは、実績のある信頼できる販売店から購入することです。
大手の中古車販売店では、独自の品質基準を設けて水没車や事故車の販売を禁止している場合が多く、万が一問題があった場合の保証制度も充実しています。
販売店を訪問した際の対応も重要な判断材料です。
質問に対して明確に答えてくれる、車両の詳細な情報を提供してくれる、修復歴について透明性がある販売店を選ぶことで、トラブルを避けることができます。
中古車購入前に、第三者機関による専門的な点検を受けることを強くお勧めします。
一般財団法人日本自動車査定協会認定の査定士による点検では、水没車の痕跡を専門的な知識と経験で見抜くことができ、購入後のトラブルを未然に防ぐことができます。
点検費用は発生しますが、高額な損失を考えれば、有効な投資といえます。
特に高額な中古車を購入する場合は、必ず専門家による点検を受けることをお勧めします。
水没車に関する保険と法的な知識
水没車に関する保険の取り扱いや法的な責任について正しく理解しておくことは、万が一の際に適切な対応を取るために重要です。
自分の車が水没してしまった場合、車両保険でカバーされるかどうかは水没の原因によって異なります。
国土交通省の統計によると、自然災害による車両被害は近年増加傾向にあり、適切な保険加入の重要性が高まっています。
多くの車両保険では、台風や洪水などの自然災害による水没は補償対象ですが、地震・噴火・津波による損害は補償対象外となります。
保険を使用した場合は翌年の等級が下がり、保険料が上昇するため、修理費用と保険料の増加分を比較して保険を使用するかどうかを判断する必要があります。
中古車を販売する際、水没車であることは重要な瑕疵に該当するため、販売業者には告知義務があります。
消費者契約法第4条では、事業者が重要な事実を告げなかった場合や不実告知を行った場合に契約を取り消すことができると定められていま
購入者側も、水没車の疑いがある場合は積極的に質問し、その回答を記録しておくことで、後々のトラブルに備えることができます。
中古車の水没車に関するよくある質問
Q1. 水没車と事故車は何が違う?
水没車は台風や洪水などで車内フロア以上に浸水した車のことを指し、電気系統やエンジン、内装に深刻なダメージを負っている可能性があります。
一方、事故車は衝突などで車体の骨格部分を修復した車を指します。
いずれも安全性や耐久性に影響するため、購入時にはしっかり確認が必要です。
Q2. 水没車かどうかを簡単に見分ける方法はある?
一般の方でもチェックできるポイントとしては、車内のカビ臭や泥のにおい、シートベルトの変色、ペダルやシートレールの錆びなどがあります。
ただし外観だけでは判別できないケースもあるため、購入前に第三者機関や専門家の点検を受けるのが安心です。
Q3. 万が一、水没車を購入してしまったら返品できる?
販売店が水没車であることを隠して販売した場合、民法の「契約不適合責任」に基づき、契約解除や損害賠償を請求できる可能性があります。
ただし、購入時に説明があった場合や、購入者が了承していた場合は返品できません。
トラブルを避けるためにも、契約前にしっかり確認しましょう。
まとめ|水没車を選らばないために
中古車の水没車を見分けるためには、車内の異臭や汚れ、金属部品の錆び、価格の妥当性、電気系統の動作など、複数のポイントを総合的にチェックすることが重要です。
特に、シートベルトの変色やエアコン作動時の異臭は、水没車を判断する有力な手がかりとなります。
また、信頼できる販売店での購入や専門家による事前点検の活用により、水没車購入のリスクを大幅に軽減することができます。
万が一水没車を購入してしまった場合も、適切な法的手続きにより契約解除や損害賠償を求めることが可能です。
中古車購入は大きな買い物ですので、時間をかけて慎重に検討し、不明な点があれば必ず販売店に確認することで、安心できるカーライフを実現しましょう。
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